2023年9月20日水曜日

2023.08.03 それでもあの人の邪悪さ、甘く見すぎた。

昨日からニュースになっているのは、涿(たく)州の水没。
農村から市街まで、ほとんど水没していた。
死者数が出てきていないけど、被害人数は百万を下らないだろう。
どこもかしこも水深数メートル。
村なら高い屋根しか残っていない。

各地から駆けつけた救援隊は、現地に着く前に阻止された。
「現地政府の要請状がない限り救援は認められない」って。
なぜなら、「昔から救援隊が現地の状況を誇大に表現しがちだから手続きを踏まえてもらう」という規定がある。
すなわち、思いもよらない形で現地の状況が語られたら困る。
しかし現地の政府まで水没したから要請状なんて出せなかった。
そのまま引き返った救援隊もあり、小規模で救援を行って「帰れ」と言われた救援隊もある。
民衆の発信源では、政府の手の者が真夜中に堤防を崩して放水し、多くの民衆は何の準備もなく洪水に襲われ、車で逃げようとしても高速道路の入り口で「まず料金を払え」と止められ大きい行列が作られた。
一方、政府は「堤防を崩す通知が出たが誰も気にしなかった」との「民衆の声」を大きく報道し、「被害はあくまでも自己責任」との姿勢を示している。

そもそもなぜ涿州なのか?
平原なので、北京と同じくらい大量の降水を受けても、門頭溝のような津波はできていない。
水は河道に沿って天津の河口まで流れて入海するはずだった。
問題なのは、天津まで、水没してはいけない場所は二つくらいある。
一つは大興国際空港。
空港がダメになったらいろいろ困るのはそれなりに理解できる。
そしてもう一つは雄安新区。
第二首都圏として作られていまだに機能せず、メンツプロジェクトに成り下がっている雄安新区だけど、あの人の功績になる予定だから水没したら大変困る。
もともと雄安新区が作られた場所は白洋淀、大きな湖であり、洪水になったら自然の調節として働く。
はずだった。
万が一でも入れてはいけないから、北京から放流された水を、雄安新区に着くまで放水しなくては。
そこにあったのは、涿州。
市街も、村も、人々も、「多少の犠牲だからしようがない」の一言で済む。
そのうえで自己責任を押し付ける。
肝心のあの人はただ目を逸らして、何事もなかったかのように振舞っている。
いくらなんでもひど過ぎる。むご過ぎる。

文字を書くときは冷静な方が良いと思っている。
冷静じゃない状態で書く文字は醜いと思っている。
だがそれは違うかもしれない。
冷静じゃなくて、無力だ。
畏れ多い僕は、どう頑張ってもか弱い文字しか書けない。
胸の中に満ちている怒りを炸裂させようとしても、何の衝撃も起こせない。
果たして、救いがあるのかな。
僕も、この国も。

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