倒れていた。
最初は夏風邪だった。
とある暑い午後、妻と息子は風通しの良い部屋の床に茣蓙を敷いてゴロゴロしていた。
ちょっと楽しく混ぜてもらったら眠気に襲われそのまま寝てしまった。
起きたら喉に違和感があって、咳や痰が軽く出た。
だるい感じが少しあったけど熱はなかった。
「コロナ?」
「そんな馬鹿な」
薬飲んで安静にしたら鎮まってきた。
ただの夏風邪だからどうということはなかった。
問題なのは、この前の投稿の洪水以来、あまりにも毒々しかった毎日の出来事が、体に響き過ぎた。
次から次へと洪水の餌食になった村、町、都市。
邪魔者扱いされて追い出された救援隊。
救援を望めなくなってきた人々。
上から神隠しになってた幹部たち。
遮断されていった発信源。
悪名高い赤十字さんはのこのこ出てきて「物はいらないから現金でね」と寄付を募り始めた。
国が被害地域に対して出された援助金は2億元未満。
そして今日、ようやく公式報道されることになった。
河北省全域で29人死亡、16人行方不明。
ふざけんな。
村一つでもとうにそれを超えているだろう。
国「それが、どうした」
今大事なことは、一番金持ちな医療・移民関係者から金をかっさらうこと。
そして、五月蠅い愚民どもを黙らせるために、携帯のアプリを許可制にすること。
それだけ貫けば磐石。
とでも思ってそう。
どんな災難が起きても。
だ。
それだけじゃない。
世界において、中国人は全力で嫌われ者になろうとしている。
いや、もうなっているといっても過言ではないだろう。
大学生運動会の醜態。
ロンドン・ブリックレーンの暴行。
暴徒紛いのネット民。
何もフォローされてない。
むしろ支持されている。
国に。
まとも…とは言えないけど、一応常識者のつもりだ。
こんな国、こんな国民。
一体どこに向かわせてくれる?
まともな死に方をさせてくれる?
何も、見えないや。
そんなこと、誰が聞いてくれる?
いつものように、勝手に絶望しているだけだ。
りいなん・存在不適合者
2023年9月20日水曜日
2023.08.11 それが、どうした。
2023.08.03 それでもあの人の邪悪さ、甘く見すぎた。
昨日からニュースになっているのは、涿(たく)州の水没。
農村から市街まで、ほとんど水没していた。
死者数が出てきていないけど、被害人数は百万を下らないだろう。
どこもかしこも水深数メートル。
村なら高い屋根しか残っていない。
各地から駆けつけた救援隊は、現地に着く前に阻止された。
「現地政府の要請状がない限り救援は認められない」って。
なぜなら、「昔から救援隊が現地の状況を誇大に表現しがちだから手続きを踏まえてもらう」という規定がある。
すなわち、思いもよらない形で現地の状況が語られたら困る。
しかし現地の政府まで水没したから要請状なんて出せなかった。
そのまま引き返った救援隊もあり、小規模で救援を行って「帰れ」と言われた救援隊もある。
民衆の発信源では、政府の手の者が真夜中に堤防を崩して放水し、多くの民衆は何の準備もなく洪水に襲われ、車で逃げようとしても高速道路の入り口で「まず料金を払え」と止められ大きい行列が作られた。
一方、政府は「堤防を崩す通知が出たが誰も気にしなかった」との「民衆の声」を大きく報道し、「被害はあくまでも自己責任」との姿勢を示している。
そもそもなぜ涿州なのか?
平原なので、北京と同じくらい大量の降水を受けても、門頭溝のような津波はできていない。
水は河道に沿って天津の河口まで流れて入海するはずだった。
問題なのは、天津まで、水没してはいけない場所は二つくらいある。
一つは大興国際空港。
空港がダメになったらいろいろ困るのはそれなりに理解できる。
そしてもう一つは雄安新区。
第二首都圏として作られていまだに機能せず、メンツプロジェクトに成り下がっている雄安新区だけど、あの人の功績になる予定だから水没したら大変困る。
もともと雄安新区が作られた場所は白洋淀、大きな湖であり、洪水になったら自然の調節として働く。
はずだった。
万が一でも入れてはいけないから、北京から放流された水を、雄安新区に着くまで放水しなくては。
そこにあったのは、涿州。
市街も、村も、人々も、「多少の犠牲だからしようがない」の一言で済む。
そのうえで自己責任を押し付ける。
肝心のあの人はただ目を逸らして、何事もなかったかのように振舞っている。
いくらなんでもひど過ぎる。むご過ぎる。
文字を書くときは冷静な方が良いと思っている。
冷静じゃない状態で書く文字は醜いと思っている。
だがそれは違うかもしれない。
冷静じゃなくて、無力だ。
畏れ多い僕は、どう頑張ってもか弱い文字しか書けない。
胸の中に満ちている怒りを炸裂させようとしても、何の衝撃も起こせない。
果たして、救いがあるのかな。
僕も、この国も。
2023.07.31 北京洪水。
北京洪水の動画はいくつ流れてきた。
永定河が氾濫し、その上を跨ぐ盧溝橋、そしてすぐ隣の小清河橋が崩壊。
複数の車が河水に漂っている。
近くの村から避難指示が出ている。
避難している村人たちが河となった道路、そして急流に押し流される無数の車を眺めている。その中には人がいるかどうかは確認できない。
とある村人が、家だった廃墟を彷徨って家族を探している。
昔から北京は、水没しやすい都市である。
2009年まで北京に住んでいた頃、豪雨が降るたびに、高架橋の下には深さ2メートルほどの水たまりができる。
後は揉み消されていたかもしれないけど、「高架橋の下には排水溝の蓋が設置されただけで、その下には排水溝が実際作られていない」と、かなり有名な話があった。
とはいえ、無理やり突破しようとしない限り、危険にはならない。
(車を水たまりに突っ込んで動けなくなってそのまま亡くなった運転手があった。確かに一人くらいニュースに出ていた)
だから今度の洪水を耳にすると、またそんな類かなと思ったけど、まさかの山津波だった。
被害地域といえば門頭溝、北京の西部にあたる郊外。
山地だから確かに山津波になりやすい。
だが豪雨とはいえ、数日にわたる豪雨がいきなり津波を起こるなんて、考えられるのは、近くにある青龍湖による放水、じゃないかな。
この国のダムはいつも水を貯めすぎると言われている。
そして雨が多く降るとダムが崩壊する恐れがあり、秘かに放水する。
聞いたことがあるだろう。
2年前の鄭州も全くその通りだった。
もちろん公式では認められていない。
認めてはいけない。
だがこの規模の津波なら、放水以外辻褄が合わない。全然。
雨はまた止んでいないようだ。
このままじゃ何人が亡くなるのだろう。
考えるだけでもゾッとする。
噂では天津まで放水を備えて住民を避難させている。
もうこれ以上被害が出ないように祈るしかない。
追加情報:北京市房山区河北鎮 全体水没、音信不通
2023.07.27 真っ白。
いつもつくづく思っている。
目に映るこの世界は荒唐無稽すぎて、不世出の文才でも、その一欠けらを表現することができない。
凡愚で精神不安定な僕には、一体何ができるというのか。
それでも僕は必死に足掻いている。
虚しいとわかっていても、支えてくれる人がいなくても、これだけは諦めたくない。
今までいろいろ諦めてきたけど、文字さえあれば、何とか生きていける気が。
ま、それも気のせいかも。
よく夢を見ている。
真っ白な雪原を彷徨って、空を眺めながらあてもなく足を運ぶ。
目が覚めていても、気分は雪原。
炎天下で汗をかいても、気分は雪原。
いっそのこと、雪に埋もれたい。
そうすれば、少しでもこの世界から遠ざかるかな。
2023.07.22 おかしい小包。
最近ネットで買い物していないのに、今日いきなり「あなたの宅配便が○○店に留め置きました」とのメッセージがあった。
宅配便とはいえ、今どき家まで届いてくれる業者はほとんどない。
連絡もせず、黙認で専門店(「菜鳥」とか)に留め置く。
店に行って、メッセージに含まれているコードを見せたら、モノを出してくれる。
小さな箱。
振るとカラカラの音がする。
薬やサプリメントの類か。
確かにこの前健康のためにサプリメントを何種類買ったことがあるけど、別に不足やおまけがなかったはずだ。
開けてみると、確かにサプリメント1瓶だ。
レモンと緑茶の抽出物とかダイエット用とかなんとか。
米国産だからそこそこ高価なもので、Taobaoで確認したら300元くらいする。
最近僕宛に何か買ったのかと妻に確認した。
妻「ううん。詐欺かな」
ちょっとググった結果、宅配便詐欺なら、ゴミクズな内容物を伏せて着払いを要求するとか、配送する前に問題が発生したと嘘をついて料金をたばかるとか普通なんだから、当てはまらないな。
Taobaoでこのサプリメントを販売している店はそんなに多くない。
一つずつ確認したら、小包の差出元に該当する店はあるようだ。
だが何らかの形で僕の情報を手に入れたとしても(今どきそんなに難しいことではない)、なんでわざわざ一つ送ってくれるかな。
もちろんそれを飲む気はない。
ただ詐欺ならどんな形でかかってくるかをできる限り想定しておきたい。
詐欺以外は何かあるかな。
毒?ウイルス?放射性物質?
そんな馬鹿な。
別に狙われる理由もないや。
とりあえず放っておくわ。
何があったらまたその時で考える。
2023.07.21 あとどれくらい保てるかな。
最近はメンタルが確実に悪化していると思う。
何もしないほうが良さそうだけど、何かしないと落ち着かない。
とりあえず韓国語の教科書をぼちぼち読んでいる。
そもそも読書という行為は、中途半端な環境や心境では無理だ。
それに息子が夏休みに入ったため、「買い物に行くから付き合って」「午後テコンドーに行くから昼ご飯作って」って、事務所に行く時間も減っていた。
家族団欒ならそれもそれでいい。
あいつらのためなら、できることは全部する。
しかしそれでもこちらがこき使われているだけで、欲しいエネルギー、全然くれていなかった。
むしろ、僕が何かを話したくても、すぐ遮られる。
僕は昔から弱気のほうで、父や母はいつもペラペラ説教していた。
ある日抗議した。「僕の言い分を少しでも聞いてくれよ」と。
すると父が「はい、今からお前が話せ、思う存分に」と言って、唖然とした。
そして先日の食卓で、冗談半分に「お前ら全然話聞いてくれないよな」といったところ、息子が「何話したいか今話したらいいじゃん」と言い放った。
「お前、爺ちゃんにそっくりだな」と苦笑いしただけだった。
息子は好奇心旺盛な年ごろだから、妻に何かを話しようとしてもすぐ食いついて、文字単位で詮索してくる。話を続く気はいともたやすく失う。
そして二人きりの時間もほとんどない。
昼間は言うまでもなく、夜になって息子が寝ると妻もすぐ寝る。
寝なくても携帯に没頭して、話し合う暇はない。
もちろん、妻と息子に愛されていないわけでもない。
ただ二人とも自己中すぎて、僕の優先順位は極めて低いだけだ。
日常の行事はすべて妻が設定する。
どこか息子を連れていく場合、僕を連行する。
僕から「ここ行ってみたいな」と言っても全然乗ってくれない。
暇な時一人で勝手にいけば?ご飯作り、遅れないようにね。
僕は頼み事があっても、いつ実行されるかわからない。
だから稀に「愛してる」とかいちゃついてきても、失礼にならない程度に相槌を打つだけだ。
今日は妻の妹のエンちゃんから「一泊して遊ぼうか」と二人を誘った。
妻「一人で留守番してもいいか」
僕「もちろん、もともと構ってくれていないだろ。楽しんできて」
騒がしい孤独より、一人の孤独はずっと幸せだから。
0時くらいから豪雨が降るそうだ。
少しでも涼しくなってくれ。
2023.07.18 夏休みか。
今日は息子の三年生の最後の日。
午後保護者会が開かれ、夏休みが始まった。
息子のクラスには、待ちきれずここ数日休みを取って家族旅行に行った同級生も何人いるようだ。
家族旅行に行きたいけど、最近の気温を見て思い止まった。
この町は涼しい方とはいえ、明日から33℃。
どこに行っても炎天下に間違いない。
うち三人とも熱に弱いから行かないほうがいいだろう。
しばらくのんびりして、8月ちょっと涼しくなってから帰省でもしよう。
ちなみに今日田舎は38℃らしい。トホホ。
圭兄が面倒見ている家にはいくつ修繕が必要だそうだ。
葬儀社に行って預かりカードの再発行を頼む。
そして妻の実家に伺って義父さん義母さんに孫の顔を見せてあげる。
2週間くらいで十分だろう。
そしてさすがにどこかに家族旅行に行きたいな。
余裕があれば考えておくか。
2023.08.11 それが、どうした。
倒れていた。 最初は夏風邪だった。 とある暑い午後、妻と息子は風通しの良い部屋の床に茣蓙を敷いてゴロゴロしていた。 ちょっと楽しく混ぜてもらったら眠気に襲われそのまま寝てしまった。 起きたら喉に違和感があって、咳や痰が軽く出た。 だるい感じが少しあったけど熱はなかった。 「コロナ...
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いつもつくづく思っている。 目に映るこの世界は荒唐無稽すぎて、不世出の文才でも、その一欠けらを表現することができない。 凡愚で精神不安定な僕には、一体何ができるというのか。 それでも僕は必死に足掻いている。 虚しいとわかっていても、支えてくれる人がいなくても、これだけは諦めたくな...
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