2023年9月19日火曜日

2023.03.19 母の命日。

3月19日。旧暦2月28日。朝。
圭兄一家、母の妹の華さん一家、そして母の弟の息子のヘイ一家と集まって、墓参りに行った。
墓参りとは言えないか。まだ墓に入っていないから。

田舎の風習では、夫妻が亡くなった後、夫方の先祖の墓園に入る。
だが妻が先に亡くなった場合、夫妻揃ったまで入ってはいけない。
そういうわけで、母の遺灰は葬儀社に預かっている。
父が亡くなったとき、二人の遺灰を揃って墓園に直行してもよかったけど、その墓園はもっと田舎の場所にあって、実家の町から車で行けば2時間くらいかかる。
それに葬儀の行事は3年まであるから、ここ数年何度も行かなければならない。
親戚も僕もみんな大変になりそう。

だから両方とも預かって、父の3年が経った後にしようとみんなで決めた。

葬儀社に小さな祭り場が付いている。
遺影と位牌を預かり所から取り出して、果物や焼きお菓子などの供え物を並べて、持参している「紙銭」を大きなコンロで焼却する。
みんな「紙銭」をコンロの中に入れながら母を呼んで話しかけるけど、ほとんどは「祟りなきように成仏してくださいね」みたいな話をしている。
まるでそうでもしなければ祟られるように。
姉なのに。
叔母なのに。
僕だけの母、なのに。
そういう信仰だな、この町は。
母に言いたいことは山ほどあるけど、こんなところで言ってもしょうがないだろうと思い止まった。

その後、みんなで食事を済まして、僕は帰りの支度を整えた。
「今度は親父の1年か」圭兄が声をかけた。
「そうね。旧暦の8月18日だから、十月になるかな。あとで確認する」
「その前でも帰省してくれよ」
「時間があればいつでも帰ってくる。うちの部屋はまた圭兄と玉姉にお任せだね」
「おうよ。お前んち庭が付いてるから、時々来ればいい気晴らしになるよ。こんな家、今どきこの町ではどこにもない。暖かくなったら何か植えてみる。花でも、野菜でも」
「それは楽しみだね」

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